社会の危機的状況では弱いところに歪みが吹きだす。
コロナ禍で女性の立場の脆さがさまざまな角度から明らかになった。
経済的な脆弱さ、家庭内の弱さ。女性自身の生殖に関する自己決定権のなさ。
この作品では背景は伝統的な日本家屋にある和室のイメージにした。
書院づくりは、平安時代後の武家社会において発達した建築様式である。
特に、床の間は武家社会の集団においての
長を明らかにするための造りである。
和室は家父長制の象徴であると自分は捉えている。
その空間の中で、母子に持つ意味はどのようなものになるのだろうか。
青い服は西洋絵画では聖母マリアの纏う色である。
この作品をSNSにアップしたときにいろんな反応を頂いた。
母子の絆の強さを感じた人もいれば
怖さを感じた人もいた。
それぞれが投影する母と子が現れることは
作家としては幸せなことだ。