2021年初頭に京成八千代台駅前交番は、八千代台駅西口駅前から八千代台小学校向かいの位置へ移転しました。旧交番となった建物は解体が予定されていたものの、入札先が整わず今もそのままとなっています。
解体されるまでの間、この建物をアートで明るくできないだろうかというプロジェクトがスタートしました。

解体予定が伸びてしまった旧交番建物
①課題
京成八千代台駅西口側には旧交番建物があります。かつては街のトラブルや人の困ったを解決する交番としての役割でしたが、今は無人となり人気がありません。
また、建物は地下歩道入り口でもあり、地下歩道は「暗い、怖い、汚い」という声が聴かれる八千代台住民からの改善希望が1番多い場所でもあります。
*課題解決に取り組むまちづくり合同会社の活動は→
https://yachiyodai-machi-llc.com/police-box-painting-campfire-2024-2/
②解決方法の模索
旧交番建物の撤去される期間、「建物外壁に住民が主役として絵を描くことができないだろうか」という案が出てきました。
絵を描くことで駅前の景観が明るくなるだろうし、住民たちが地域に住んでいながらなかなか関心を持てなかった建物への関心も上がるかもしれません。
特に住民の中でも学生たちに参加してもらうことは、地域への関心を持つ心を育み、未来につながる機会にもなり得ます。
③実行に向けて
このプロジェクトはまちづくり合同会社が主催し、行政の許可を得て開催されます。費用はクラウドファンディングが予定されています。
アートの部分はReATTAの表紙を描いている、
私ことSocialArtCreators(通称SAC)の林美蘭に
お声がけいただきました。
*SACの活動はこちら→ @socialartcreators
SACでは毎年秋にARTxCAFE八千代まちなか珈琲香るアートラリーというプロジェクトを開催しています。壁に絵を描くのが秋になる見込みからARTxCAFEの時期、より地域住民のアートへの関心が高くなる時期に同イベント内の一環としてペイントを行うことにしました。
協力アーティストは、木版画家わかばやしかよこさん(八千代台在住)と壁画アーティストおがわさくらさん(印西在住)です。
ARTxCAFE 2024→ @artxcafeyachiyo
わかばやしかよこ→ @wakabayashi.kayoko
おがわさくら→ @ogawa_sa.kura
そして今回は八千代台西中学校美術部の皆さんと
共に、旧交番建物へのペイントを行いことになりました。
すでに3年生は活動を終えていますので、1-2年生の皆さんと進めています。ワークショップへの前向きな取り組みに、秋が楽しみです。

【過程】
2024年4月
まちづくり合同会社の呼びかけでプロジェクト案が発足
5月
プロジェクト大枠を整えて行政の許可のもとスタート
6月13日
八千代台西中学校ご挨拶訪問
7月18日
八千代台西中学校美術部ご挨拶訪問
プロジェクトの全体を説明と、自分の図案を描いてもらう宿題のお願い
25日
八千代台西中学校美術部と最初のワークショップ
宿題の個人ごとに考えた図案の提出と作業のチーム分け
プロジェクト名の提案
8月27日
八千代台西中学校美術部と現場確認
最終デザイン案のまとめ
プロジェクト名の決定
【7月25日ワークショップのこと】
08:30~11:30
・一人一人のイメージ画を出して発表してもらいました(全体で一つのイメージを作る前に自分ごととして捉えるためのアウトプットとして)
タイトルと何を描いたか、これが描かれたらみる人がどう受け取ったり感じるか感じて欲しいと思うかまでそれぞれの言葉で語ってもらいました。
・その後は作業のために3つにグループ分け
2年生を中心に各チームが組まれました。それぞれのチームみんなが話し合いの参加できるよう、2年生のリーダーたちの気遣いが光っていました。
・プロジェクト名の案を出してもらう
各チームごとに提案してもらい、最終3案まで絞りこみました。



【8月27日の内容】
08:30
学校に集合して短い挨拶ののち
08:45~10:00
交番現場に移動しました。
自分のデザインが現場でどう見えるか確認してみることと、制作時にどんな注意がいるか環境を確認する目的です。


10:00~12:00
学校へ戻りみんなの図案を見直してチームごとに
最終デザイン案を整ました。
個人個人が出したアイディアを取り入れつつ、よりテーマを深めたものが出てきました。
12:00~12:40
お昼ご飯。ワイワイ楽しく過ごしました。
13:00~15:00
最終案を決定します。チームごとの案を短くプレゼンして、みんなに理解を深めてもらいました。
現場を見たことで皆さんもよりイメージしやすくなっていたと思います。
絞られた3つの案について短いプレゼンをしてもらった後に、どの案で行くのか投票をしてもらいました。
最終的に選ばれた図案は、駅が近いことや身近な生き物にヒントを得た図案で、たくさんの得票を受けて決定しました!

いよいよ実際の制作への準備です。
おがわさくらさん @ogawa_sa.kura から、
制作に必要な道具や段取りがレクチャーされました。
ペンキを塗るテクニックや養生テープの貼り方の
練習をみんなでやってみました。
この経験をもとに、10月に清掃や下地塗り、
そして11月に本制作と完成を予定しています。

【10月17日】清掃日
08:30~11:30
学校に集合して短い挨拶のち現場へ清掃に向かいました。
八千代台まちづくり合同会社代表吹上さんのご協力の元みんなで清掃。 @yachiyodaimachizukuri
ファミリーマート八千代台駅前店様にお水を、
八千代台自治会様よりモップ等お借りしまして
建物の汚れ落としから道路との境目の草むしりまで行いました。
【11月4日】本番
05:30~
三代川塗装さんによって始まった足場組み。この足場なくしては絵の完成もありませんでした・・・。
06:30~
わかばやしかよこさんと共に下書きスタート。朝は冷えます。 @wakabayashi.kayoko
08:30~15:00
学生たちが集合。一度八千代台自治会館に移動して段取りの説明を受けた後制作を開始しました。
ヘルメットを着用して安全第一を心がけます。
1、2年生たちの制作をわかばやしかよこさんがリードして進められました。最初は戸惑っていた学生たちもお昼を過ぎることには役割分担もスムーズにいったようです。美術部顧問の平田先生、副顧問の神津先生も制作のお手伝いしてくれました。
アーティストの壁は林とおがわさくらさん、閑研究室留学生のカリナが参加して制作を進めました。
@ogawa_sa.kura @kaemt
学生から出ていたアイディアで、最終案には残らなかったアイディアたちから図案を考えました。
メインとなった象は、おがわさくらさんが中心に描きましたが、八千代台に住むアジア圏の住民にとって親しみやすい動物。
完成後、「エレファント!」と喜んでくれる海外からの住民の皆さんを何人もも見ました。共感されるモチーフになったことがとても嬉しいです。
カリナはインドネシアからの留学生。いろんな会話をしながら一緒に筆を進めたことがとても良い思い出になりました。
15:00~16:30
学生たちが帰宅した後は、アーティストと先生たちで多少の補足制作。その後は足場を撤去してもらい片付けに入りました。
その間も現場の脇を通る市民の皆さんから「明るくなった」「すごい」「いいね」などの感想が語られるのを耳にしました。
足場を外して、眺めてみると駅前の交通量の多い場所にアート作品が登場したインパクトをしみじみ感じることができました。
今回のプロジェクトはいろんな方の関わりと協力なくしては達成しなかったプロジェクトです。
準備にも時間がかかっており、学生たちと活動する合間合間に、買い出しや段取りの打ち合わせなどを何回も重ねていました。
それらがあっての当日は、ボランティアに来てくれた方々や複数のメディアが来てくれたりといろんな形で関心を持ってもらえたと思います。
何より、街の皆さんの反応がダイレクトで、
それがポジティブな反応ばかりで本当に嬉しく思いました。学生たちにもきっと聞こえていたと思います。
自分たちが描いたものが街にどんな影響を与えていくのかを実際に体験できるのは貴重な機会なのではないでしょうか。
この機会を作ってくれた八千代台まちづくり合同会社代表吹上さんには心からの感謝です。
<主催>八千代台まちづくり合同会社
<後援>八千代市 / 八千代商工会議所
<協力>
Social Art Creators
八千代台西中学校美術部
三代川塗装
八千代台まちづくり協議会
八千代台自治会
おがわさくら
わかばやしかよこ
林美蘭
関根久美子
ファミリーマート八千代台駅前店(西口)
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 閑プロジェクト
ART×CAFE 2024
