千葉県八千代市にある八千代松蔭学園の土曜講座外部講師3回目へ行ってきました。
今日の講座は一番難しい回だな、と思いながら支度していました。
テーマは「地域課題をアートで解決~アートプロジェクトを企画してみよう~」でした。
そもそも、なぜこのような社会的な課題解決のプロジェクトがアートと言えるのか、
から生徒さんにお話ししました。
ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」という有名な言葉を紹介。
本当のところ、正確に伝える自信はないのですが
そういう見方がアートの世界を広げたことはこの機会に知っていてほしかった。
そのあと、課題解決のアートプロジェクトの具体例として、
自分がこれまで取り組んできた中から、「フクシマプロジェクト」と
今進行中の「ARTXCAFE2021」を紹介しました。
フクシマプロジェクトは2017年に「七つの詩」というタイトルで3331のギャラリーで開催した中から一点を持って行き、3・11と数年後どう変化したかしなかったか、なぜプロジェクトがかいさいされたか、そしてこの作品を見てくれたある大学生の反応のお話をしました。
アートカフェはまさに今取り組み中のプロジェクト。
それらを紹介して、次は生徒さんたちが組み立てて守る番です。
自分が選んだ課題の解決に向けて、複数人を巻き込むプロジェクトを
A4用紙にまとめてもらうことにしました。
それぞれの企画はどれも興味深いものばかり。
薬が足りない課題を、改修で解決しそのゴミでアート作品を制作して詳細でプロジェクトを紹介する、なんていう流れの整った企画がありました。
あるいは人種差別課題の解決に、ある方法で自分の外見を覆い、それから食事を共にする際に自分を出してテーブルの人たちと会話する場の創出や
身近なところでは、すれ違いも難しい狭い道路で歩行者の安全確保のために絵を描いた場所を作り、また話し合いの場を設ける、というような内容もありました。
今回経験してもらいたかったことは、アートというものが、部屋で制作された作品だけを指すのではない、ということを知ってもらいたかったのでした。
それが成功したかどうかは、わかりませんが、少なくともこの生徒さんの感想は
読んで開催してみてよかったと感じさせられました。
「今まで地域課題や社会問題について自分では考えているつもりだったけど、実際にその解決策、実現しやすい対策を挙げるとなった時に、今までのが本当につもりなだけだったことを思い知らされました。
また、他の人たちのプロジェクト案を聞いて、それぞれ違った視野で色々なアイディアを思い浮かべて話していて、どれも実現させたいものばかりで聞いていて楽しかったです。
アートは楽しませる、色んな気持ちを表現する以外に人と人とのコミュニティを作ったり、簡単なようで難しい、でもだからこそ楽しいものなんだなと感じました。」