林美蘭( miranartwork )です。 ぶんちゃっちゃー
あのね、
数日前に知ってハマっている建築家がいる。坂茂(バン・シゲル)だ。 ご存知?以下は彼についてのWikipediaからの抜粋。
坂 茂(ばん しげる、1957年8月5日-)は、日本の建築家、芝浦工業大学特別招聘教授。日本建築家協会名誉会員[4][5]。ニューヨーク州登録建築士[6]。
アメリカで建築を学び、紙管、コンテナなどを利用した建築や災害支援活動で知られる。2014年には建築分野の国際的な賞であるプリツカー賞を受け[7]、フランス芸術文化勲章コマンドゥールを贈られた。2017年に紫綬褒章を受章[8]、また日本人として初めてマザー・テレサ社会正義賞(英語版)を受賞している[9]。
坂茂は主に紙管を使用した、一時的な建築物で世界に知られている。つまり、災害地域の避難所や難民キャンプでの紙管を使ったシェルター等の建築物だ。
彼の今までの歩みはThe New York Times Magazine に記事がある。詳細だし写真も美しいのでぜひ読んでみて。
https://www.tjapan.jp/design_and_interiors/17330257?page=18
自分は全然知らなかった。
やっぱさ。
名の知れた建築家というとやはり大きな建物や施設などが代表作品として紹介されるじゃん。 美術館も建物そのものの価値が最近は人気があって、例えば新国立美術館は映えスポットとしても人気がある(らしい)
そんな中で坂茂は1990年代から再生紙による紙管を建築素材として、阪神・淡路大震災(1995年)の被災者のための住宅やルワンダ虐殺の難民へのシェルター(1996年)を建てている。しかも当初の運営は学生を含めたボランティアで。
SDGsを掲げている今の時代に「サスティナブルな素材を使う」や、「気候変動による災害が続く中素早く軽量で作れるシェルターに取り組む」ということを聞くと、それは実に時代に即したものだと理解できる。
しかし1990年代の人々にどれだけそのコンセプトは理解されていただろうか。日本で言うとバブルは崩壊していても2025年の今の日本ほど経済格差が広がっておらず、スマホもなくテレビでみんなが同じ番組を見て時代を共有していた、そんな時代に坂茂の建築はどう映っていたんだろう。
(トレンディドラマ多かったねえ・・・)
結論として。なぜ坂茂かと言うと。
他国の話ではあるけども来るアメリカの政権に、イーロン・マスク氏が入り込み外交に口を出す様子が報道されている。
また彼の出生主義としての行動やSNS「X」上で掲げられている「自由」はどんなものか。
ダイバーシティも公平性も後退しようとしているアメリカの影響は日本のXでの主張を眺めると決して関係ないと言うことはできないだろう。(余談だけども韓国の大統領弾劾に関して保守派が韓国国旗と星条旗を共に振っている異様さも可視化されているし大統領本人がSNSの陰謀論に深くはまっていると言う話も出ている)
それらは「行き過ぎた資本主義」だと思っていて、そんな言葉をこれからますます実感する未来が待っているかもしれない。
自分はその流れに対して何もできずに呑まれていくしかないのかな、なんて残念な思いを持ったりもしていた。海辺の砂浜に立っていると波が足元をずるずるとさらっていくように。
そんな自分に、坂茂の建築への姿勢は何かに呑まれてどうしようもなくなるのではないかと言う恐れからスッと引き離す湧水のように感じた。
「お金持ちの住宅も仮設住宅も造るが、興味やエネルギーは全く変わらない。単に設計料をもらえるかもらえないかだけで、両方の仕事の境がなくなっている」。
日刊建設工業新聞インタビュー記事より
どちらかに振るのではなくどちらも並行させる。
それは「資本主義に抗う」一つのあり方なのかもしれないなってね。
最後によければこの記事も紹介しておきたい。もしかしたらあなたにとっての湧水が見つかるといいな。